科学教育 2012 7 8

書名 重力とは何か
著者 大栗 博司  幻冬舎新書

「科学とは、手順である」
 特に、科学教育は、手順が必要であると、
この本を読んで感じました。
 私は、2012年2月12日に「超弦論」ということを書きましたが、
いきなり超弦論(超ひも理論)で、
素粒子を作っているのは、「ひも(弦)」であると書いても、
あるいは、我々が住んでいる世界は10次元である、
そして10次元マイナス4次元は6次元で、
この6次元は、どこに隠れているのか、
つまり、この余剰次元は、どう考えるべきかと書いても、
普通の人は、混乱するだけかもしれません。
 この本は、特殊相対性理論の説明から始まって、
一般相対性理論、量子論を説明して初めて、
超弦論の説明に入っています。
 考えてみれば、私も、高校入学前、中学3年生の春に、
「相対性理論入門」と「荘子」という本を買ってもらいました。
(荘子は、中国の思想家・哲学者です)
 その後、本屋で「超弦論」という本を見つけたのは、
確か高校2年生の頃だったと思います。
 それでも、「科学とは、直感である」とも言えます。
昼食を食べていて、突然、思いつく。
あわててメモ用紙を探すという経験が、誰にでもあるはずです。
 こんなことを書くと、実験屋(実験家)からは、
「またもや、奇想天外なことを」と非難されるかもしれません。
「実験で証明しなければならない我々の苦労を知っているか」と。
 物理学の世界は、「理論屋(理論家)」と「実験屋」で構成されています。
時々、理論屋は、とんでもないこと(実験屋の主張)を思いつくものです。
「この本は、推理小説である」
 私の感想は、そう思ったのです。
特殊相対性理論、一般相対性理論、量子論、超弦論と、
物理学のメインストリーム(主流)を説明して、
最後に、重力とは幻想かもしれないという一文をこの本に発見した時、
まるで一流の推理小説を読み終わった時に感じるものと同じものを感じました。
(第2章から読み始めると、そうなります。
もしかすると、私が途中で読み落としたのかもしれませんが・・・・・)
 時間という1次元の存在を除けば、
我々の存在は、ホログラフィーかもしれません。
つまり、4次元の存在を3次元空間に投影しているだけかもしれません。
 フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は、
まるで生きているかように、何かを語りかけているように感じます。
しかし、彼女は、2次元の存在です。
 フェルメールは、3次元存在の「真珠の耳飾りをつけた少女」を、
次元をひとつ落として、つまりキャンバスという2次元空間に投影したのです(描いた)。
 これは、4次元存在の画家が、
3次元空間のキャンバスに絵を描けば、我々という存在ができあがるかもしれません。

超弦論 2012 2 12

書名 超ひも理論がよくわかる本
著者 伊藤 英男  秀和システム

 超弦論(超ひも理論)というと、
懐かしい感じがします。
 あれは、私が、高校2年生だった頃だと思います。
学校の帰りに立ち寄った本屋に超弦論の本があったのです。
 「これで、すべてが説明できるのか」と、
興奮して、ページを開きましたが、
やがて、大学受験の勉強が始まり、
すっかり、記憶の外になってしまいました。
 それでも、超弦論(超ひも理論)と聞くと、
青春の日々が思い出され、懐かしく感じるのです。
 さて、なぜ、超ひも理論というものが出てきたのか。
それは、物理学者の本能、いや自然な欲求からだと思います。
「自然界の法則は、すべてシンプルなはずである」
 しかし、現状では、物理学は、
複雑とシンプルの間を行き来していたのです。
 たとえば、分子の先に、原子があり、
その原子は、陽子と中性子、電子で構成されています。
 金(Gold)も鉛も、
陽子と中性子と電子の数が違うだけで、材料は同じ。
「実に、シンプルだ」と思いませんか。
 ところが、これで終わらなかったのです。
陽子や中性子を構成する素粒子が発見されて・・・・・。
これが、ずいぶん数が多いのです。
 素粒子表を作って整理しないと、
混乱するほど数が多かったのです。
結局、「複雑」に戻ってしまったのです。
 しかし、自然界の法則は、
すべてシンプルなはずであるという強い欲求があります。
 そこで、誕生してきたのが、
超弦論(超ひも理論)という考え方です。
 素粒子表まで作って整理しなければならないほど、
数が多いと書いた素粒子ですが、
その素粒子を作っているのは、
実は、「ひも(弦)」ではないかという着想です。
 つまり、素粒子の違いは、
単に弦の振動の違いに過ぎないのではないかということです。
 言い換えれば、弦が振動していて、
その振動の状態が素粒子の種類を決めているのではないかということです。
 この本では、「もともとは、単なる一本のひもが、
ある振動状態をとっている時は電子、
また別の振動状態の時はミューオン、
さらに別の振動状態の時はアップクォーク・・・・・というように、
すべての粒子をたった一本のひもの別の状態であると考えることができる」と書いてあります。
 少し、わかりにくくなったかもしれません。
しかし、この着想は、バイオリンやギターにあると思います。
たった一本の弦でも、実に多くの音色を作ることができます。
 こうした超弦論(超ひも理論)によって、
複雑になってしまった素粒子をシンプルなものにすることができるでしょう。
 次に、次元構造についても考えてみましょう。
私は、2011年5月3日に、
「私たちが住んでいる次元は、カーテンのようなものだ」と書きました。
 つまり、私たちは、3次元プラス1次元で4次元の世界に住んでいるのです。
縦・横・高さの3次元と、時間の1次元です。
時間は、直線の1次元の存在です。
 たとえ話をすれば、私たちが住んでいる次元空間は、
カーテンのようなものです。
 つまり、カーテンレールが、時間という次元で、
そのカーテンレールにぶら下がっているカーテンが、
空間という次元ですと書いたのです。
 超弦論(超ひも理論)では、10次元という時空間を考えます。
10次元マイナス4次元は、6次元です。
この6次元は、どこに隠れているのか。
これが余剰次元としても考えられています。
 次元というと、抽象的な概念でわかりにくいかもしれません。
こう考えてみると、よいでしょう。
 一次元とは、線分です。
もちろん、直線をイメージしてもよいのですが、
「ひも」のようなものも、一次元の存在と言えるでしょう。
 二次元は平面、三次元は立体、
そして、私たちが住む次元は、
「三次元プラス一次元」という特殊な世界となっています。
 つまり、縦・横・高さの三次元に、
時間という一次元の存在が組み込まれた世界になっています。
 さて、こう考えると、おもしろいかもしれません。
線分に囲まれてしまって、
「逃げられない」と思っている二次元の人たちを見て、
三次元の人たちは、「上へ逃げればよい」と笑うでしょうが、
同じことが三次元の人に対しても言えるでしょう。
 四次元の人たちから見れば、三次元の人たちは、
「なんと、閉じ込められた世界で不自由に生きている」と見えるでしょう。






























































































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